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此処は、「奪われし味蕾」が全身全霊をこめて自己紹介をする場所です。 20060731-20090131までのlogは、 →http://plaza.rakuten.co.jp/stolenfuture/
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このエントリーは、「菊池誠の物理ページ」の名物コンテンツ"kikulog"のエントリ「長妻厚生労働大臣、予算委員会でホメオパシーについて(も)語る?」へのコメントとしてあげようとしたものを再構成したものである。
元々は同エントリーの左派おじさん — February 19, 2010 @12:24:30へのレスの続きとして書いたものだったが、長くなりすぎたのと、NATROMさんのblogに同趣旨のエントリー「ホメオパシーに予算を割くべきか - NATROMの日記」があったので両方にtrackbackを打つべく、ここに書くことにした。

というわけで書き方がよそ行きですが、まぁいいですかのー。


既出かもしれませんが、

ホメオパシーについて、左派おじさんの検討事項よりももっと厄介な話を考えてみました。ランダム化比較試験の限界に関することです。

ホメオパシーにおけるレメディは、ランダム化比較試験を含む複数の研究によってその有効性が疑問視されている(というかぶっちゃけ効かないといわれている)わけですが、ホメオパシー推進者の立場に立った場合、「ランダム化比較試験はレメディの薬効評価方法には馴染まない」という主張もありえます。

類似の主張をしている人たちは、違う世界に大分前からいました。多分私より詳しい方がいらっしゃると思いますが、ハイエンドオーディオの世界です。
以前、知り合い(元その世界の人)に聞いた話によると、彼らの理屈では、医薬品と同じような評価法(ランダム化比較試験や二重盲検法)はハイエンドオーディオの評価に馴染まないというのです。一般人何十人かを集めて無作為割付後二重盲検法を施行して「殆どの人はハイエンド環境と普及品による環境を区別できませんでした」との結果が出たとしても、そんな結果に意味は無いと。要するに、一般人は聴覚が「壊れて」いるから、ハイエンドとローエンドの区別がつかないわけで、我々聴く耳を持った人間であれば区別がつく、だからハイエンド聴取環境には意味がある、という主張です。

確かにランダム化比較試験(+二重盲検法)では小さな差…代替医療関係の話でいえば、「ごく弱い健康増進効果」や「ごく弱い薬効」や「ごく弱い毒性」を見逃す可能性があります。サンプルを増やすなどして見逃しを少なくすることは可能ですが、どんなにサンプルを増やそうが見逃しが生じる可能性は0にはできないわけで、どこかで妥協せざるをえません。

この主張は、ある種の考え…「特別な私を大切にしたい」考えを持った人にはとても魅力的な主張に見えると思います
「そのレメディや施術、エビデンスが無い」という主張に対しても、上記のような主張をして、「効く人はいるのよ。少数派かもしれないけどね」とダメ押しすれば、頭ごなしに「私には効果があるのよ、貴方にはわからないかもしれないけど」なんていうよりははるかに効果的でカドも立ちにくいでしょう。「多数派の都合だけでモノを言うな、少数派のことも考えろ」は民主主義において大切なことですから、主張された側の知識が浅ければ、「そういう人もいるのね→彼らの意見も全く無視するわけにはゆかないのでは?」というふうに考えが動かされるかもしれません。

で、実際のところは、そういう方向に大衆の考えが動かされること自体が問題なんですよね。
個人が主張しているうちはともかく、ホメオパシーをはじめとする代替医療の推進団体や、アンチ人工物な団体(化学物質過敏症とか、電磁波過敏症とか、まぁその類です)のような「特別な私を大切にしたい」考えを持った人の統括団体がこの手の主張を始めた場合、ちょっと面倒なことになるかもしれません。大衆の考えが「そういう人もいるのね→彼らの意見も全く無視するわけにはゆかないのでは?」という方向に行くと、今回のエントリの話でいえば、(既にエビデンス無えよといわれている)代替医療のエビデンスを探すような、まぁ不毛な事業をはじめたり、効くか効かんのかわからんような施術に保険適用したりといった阿呆なことが次々起こる可能性がある。というか、既に化学物質過敏症はレセプトの病名リストに載っちゃってますし。(化学物質過敏症の病名登録について - NATROMの日記

上記主張への対応なんですが、自分だったら、「個人の考えとしてならわかるが、同じ理屈で『レメディに保険適用を』とか『人口化学物質○○使用の全面使用禁止を』といった主張は受け入れられない」と言うでしょう。
多くの人にとってホメオパシーのレメディが「効かない」以上、政策的にレメディを医療の体系に取り入れるのは妥当とは思えません。取り入れるということは効果の無いものに納税者のカネを使うということですから。

やはり、公的資金を投入する以上、それは費用対効果費の高い政策に対して使用するべきだし、その費用対効果の評価はクリアで客観的な方法をとるべきで、となればその客観性を確保するためには万人が納得できる方法を、つまり科学的手法に基づいた評価を取らざるをえないでしょう。

問題は、上記のことを現政権が理解していないらしいということで(長妻大臣よりも、総理の発言見てるとそう思う)…まぁそれもこれも、そんな政権を選んじまった我々が悪いんでしょうけどね。

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無題


はじめまして。NATROMさんの日記のコメ欄を見て来ました。

ホメオパシーに効果がないと言う点には全く異論ありませんが、オーディオの話が出ていたのでオーディオ好きとして勝手ながら少々語らせてください。

まず、音声には大量の情報が含まれていますので、ちょっと聴きでは人間の脳は部分的にしか意識下で把握できないと思っています。オーディオシステムをどこか弄った際にどのような変わり方をするのか、経験を詰まないと短時間での聴き分けが難しい部分はあるのではないでしょうか。

また、「一般人は耳が壊れている」というのは刺激の強い音楽を大音量で聴きすぎて若年性難聴になった話を聞きかじっての放言でしょう。絵画を見る目が肉体的な視力だけの問題ではないように、オーディオを聴く耳は肉体的な聴力だけの問題では無いと言う事が言いたいのだと思います。
hahi 2010/03/09(Tue)16:18:54 編集
Re:無題
ご来訪いただきありがとうございました。

私自身は、オーディオの細かい話はあまりよくわからなかったりします。ただ、学生のときにアマチュア無線にハマっていた時期があり、最盛期にはコンテストに出て数局の混信のなかから目的の局を聞き分けたりしていたので(毎日訓練(笑)するうちに、いつのまにか信号強度が高くても不要な局はスルーできるようになっていた)、良い音を聴けるようになるためにはある程度の経験が必要、というのは理解できそうな気がします。

「聴覚が壊れている」のくだりは、(元オーディオ好きの)彼がそう表現したわけではなく、彼の話を聞いた私の表現です。彼が言いたかったのは、hahiさんが仰る「オーディオを聴く耳は肉体的な聴力だけの問題では無い」の意味だと私は考えていますが、一部のオーディオマニアは、一般人が良い音を聴き分ける能力を持たないと見ているという話を色々なところで聞き、そのことが頭にあったため、皮肉ってあのように表現した次第です。ちょっと誤解を招いたかもしれません。
【2010/03/10 00:36】
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